後藤久美子の吹田市政報告vol.2(令和5年度9月定例会・個人質問)

9月定例会にて個人質問を一問一答方式で発言しましたのでご報告いたします。

『吹田市議会議会中継サイト』(令和5年9月定例会 ー 9月21日質問)より

※当記事では質問をざっくりと解説しております。

1.北千里駅のタワマン計画は、単なる初期の指針だった。

一番初めに質問した内容は【北千里駅周辺活性化ビジョンからの進捗と今後について】です。

「北千里駅にタワーマンションが建つの?」
「空きテナントばっかりだけど、これからどうなっていくの?」
「北千里に好きなお店がないから南千里まで買い物に行くのよ。」
駅でご挨拶している時に駅前開発の進捗状況を尋ねられる事が多々ありました。

昨年11月に行われた環境影響評価意見交換会から、地区住民代表者の方々により
「駅前再開発が必要だが、再開発敷地に高さ123m、36階建て高層マンション2棟、700戸の建設は反対である」
と批判的なご意見が多数あり、地区内では選挙中も多くの方から関心が寄せられておりました。
あれから半年以上が経ち、特に動きがなく停滞状態に感じられた為、まずは再度問題提起をしようと考え、今定例会で質問させて頂きました。

北千里駅周辺は現在、コンクリート構造物やインフラの老朽化が進んでおり、再整備に対する期待の声は高まっています。

直近では意見交換会を令和5年10月と11月に開催し、計5回のワークショップを経た後、できる限り住民の皆様の希望とする駅前イメージを具体化する方向で駅前再整備を進めたいとの事でした。

また、今回下記のような質問を投げております。

本事業の再整備を具体的に進めるにあたり、過去に示された建設案に対しなぜ否定的なお声が多かったのか?
次に繋げる為に本市としてどのように考えているのか?

都市計画部長

本市では、市街地再開発事業の都市計画決定に先立って、環境影響評価の手続を実施する必要があるため、都市計画決定権者である本市が、概略の計画に基づき、環境影響評価提案書の手続に着手いたしました。
概略の計画は、住宅建設を主な目的としたものではなく、北千里駅周辺活性化ビジョンの具現化に向け、商業や公共公益機能を優先的に確保し、交流を生み出す広場や、ゆとりある空間などを一体的に整備する計画案として検討したものですが、市街地再開発事業の必要性や同ビジョン策定後の経過の説明等ができていない中、環境影響評価の手続において唐突に概略の計画を示した結果、事業計画は既に決まったものではないかといった混乱や不安などを生じさせてしまったものと考えております。
※公式回答から引用

概略の計画とは?
計画の詳細化が進むにつれて、新たな情報や視点が浮かび上がれば計画が変更されることがあるというものです。
特に駅前再整備の場合、関係者や利用者からの意見や要望が反映されるなど考慮されやすく、今後、見直しや調整によって変わる可能性があるので、柔軟性のある計画段階という意味です。

なぜ、唐突的にタワマン計画を最初の指針にする必要があったのか?
市の回答では環境影響評価の手続を実施する必要があったという事ですが、他にも一定の効果が得られたと考えると納得できるかもしれません。

一番実現化しやすいと想定される駅前再整備の目標や方向性を明確にする事で、計画に対する一定の評価を得る事ができました。
結果として案に対する反対意見は多かったですが、多くのフィードバックが得られました。
また、計画の適切な予算や工程スケジュールを確認する事ができたので、次は予算配分や実施時期の調整ができるレベルの話に持っていけますよね。
なので、概略の計画を示した事での意味は大きかったと考えます。
今となっては、唐突的だったのも❝タワマン2棟❞という先行した言葉が話題性を生み、住民の関心をグッと引き寄せられたのかもしれませんね。

施行中、主に気になる事として先手で考えておかねばならない視点を投げておきました。
都市計画法による用途地域のルール上、北千里駅周辺の場合は生活インフラを自由に建設できないので、色々と不安なお声もありました。

工事中の何年もの間、生活インフラの中でも最も比重の高いスーパーマーケットが一時的にでも全て閉店すると、周辺地区に同等レベルの店舗がないためかなり不便な状態が予想される。
また、習い事に通う子供たちは10年もたてば大人になるため、できれば習い事などのテナントにも配慮してほしい。
更に、地区世帯数の増加が見込まれる場合、ファミリー層の増加を前提として、古江台地区学校校舎の増築、もしくは学校規模適正化等の学校問題を考えなければならない。
現段階で市はどのように考えているのか?

都市計画部長

北千里駅前の再整備につきましては、意見交換会での議論を踏まえて、今後、北千里駅前地区市街地再開発準備組合において、地権者間の合意形成を図りながら、実際の施設建築物の計画、具体的な工事の進め方、商業施設の運営、管理の方策などについて検討を進めていくものです。
 本事業は、工事着工後、完了まで10年程度を想定する長期の事業となる見込みですが、スーパーマーケットのような、地域住民にとって欠かすことができない基本的な地区センターの機能については、工事期間中においても、一定維持されるよう、同準備組合に対して配慮を求めてまいります。
 また、古江台地区の世帯数の増加など、本事業の実施に伴う影響につきましても、適宜、関係部局と情報共有を図り、必要な協議調整を行ってまいります。
※公式回答から引用

既存の施設を一部残しながら順に工事をしていくという方法が推察できます。

2.子育てママさん熱望「千里北公園にもカフェスペースがほしい」

2点目に、【千里北公園一帯のパークPFI整備事業について】質問しました。
千里北公園は吹田市内にある公園の中で、実は万博公園の次に大きい公園なんですね。
シニア層やファミリー層も多い大変良好な立地なのですが、子育てママさん達や北千里マダムの間でよく耳にするのは、パークインカフェ!
こんなに大きな公園なのに園内に自動販売機すらないという現状はどうにか打破したいところ。

市内では、千里南公園内にあるバードツリー、今春オープンした江坂公園のグッドスプーンやパーク カフェ ブランコ、隣接市である豊中市のセンリシーンズでも【賑わいを産む地域のシンボル】としてパークインカフェがあり、羨ましいという熱いお声を聞く事が多々。

実は以下の質問・・・
同会派の井口議員による代表質問、そして私が詰め、最後に林議員が詰めるという最大会派ならではの連携プレー質問でした。
井口議員からバトンを受け取った私。

代表質問により、パークPFIの活用は困難だという答弁を受けた後の質問になります。

千里北公園に関しては、都市計画法第9条に基づき用途地域の1つである第一種低層住居専用地域に該当しているという理由から飲食店や物販店の建設が原則不可という事だが、2019年に改正した建築基準法により『建築基準法第48条ただし書許可』を用いた方法であれば、例外的に、コンビニエンスストア等の『日用品の販売を主たる目的とする店舗』を建てることもできるのではないか?

土木部長

建築基準法第48条ただし書許可につきましては、特定行政庁が第一種低層住居専用地域における良好な住居の環境を害するおそれがないと認め、または公益上やむを得ないと認める場合に限って許可するものとされているものです。御質問いただいていますような建築物につきましては、地元より、飲食店等の建設及び運営を反対する要望書が提出されていることもあり、住環境及び公益上、双方の観点からも、当該地域に必要な施設とは言えないと考えているところでございます。
※公式回答から引用

反対の要望書は、周辺住民全員からの要望書ではない。
どちらかと言えば「周りにお店が少ないから増やしてほしい」というお声を耳にする事があっても、「要らない」という話は聞かない。
「地域に必要な施設と言えない」という判断材料としては少ないのではないか?

他にも、フレキシブルな目線で捉えれば、芝生の上で行う結婚式や音楽フェス、蓮間池でのアクティビティー、既に施設内に存在するわくわくの郷を改修し、泊まりたくなる公園をコンセプトにした現代的で体験型の大人や子供たちがわくわくするような新たな宿泊施設に生まれ変わらせるなど、制限がある中でも広さを生かし、トライアルな取組を掲げれば、チャレンジングな企業や団体がコミットしてくれる可能性もあり得る。
Park-PFIにより、まちの屋内機能を公園に持ち出す画期的で文化的なインフラを生み出す可能性も秘めているのでは?

土木部長

これまでに行いました事業者へのヒアリング結果等により、Park-PFIの活用が困難と判断をいたしましたが、指定管理者制度の導入により、現在の公園の魅力を生かしつつ、新たなにぎわいの場の創出として、パークウエディング、星空観察会などをはじめ、御提案いただいているような、公園を活用した様々なプログラムやイベントが実施されればと期待をしているところでございます。
※公式回答から引用

その後、現状の機能を維持しつつ、リニューアルすることに対する市民さんのご意見は、まだ頂戴してもいないと指摘

詰める詰める!(@_@;)

法の抜け道は必ずあるものです。
用途地域というルール上、カフェは無理だと諦めるのではなく、例えば現在の北千里市民体育館の機能のまま、もともと喫茶スペースであった談話室をおしゃれなカフェスペースとして生まれ変わらせることも、法律上何ら問題がありません。
予算や事業者選定の課題があったにしろ、可能性がある以上、Park-PFIでの再検討をしていただくことを要望しました。

中の島公園、紫金山公園なども含め、市内の公園魅力事業を向上させる事で、にぎわいを生む地域のシンボルになります。
北千里の良さを、そして吹田の良さをもっともっと創出していきたい熱い思いで質問を終え、
林議員に後を託しました。

3.中学校給食の喫食率をあげる取り組みは?

最後に、中学校給食センター整備までにできる給食改善について質問しました。

現在公約通り、給食センター建設による全員喫食を実施する方針で市は動いています。
ですが、実現までの間は現行方式の選択制デリバリー給食の提供を続けることになります。
令和5年の中学生給食費は半額で、選択制デリバリー給食の喫食率は年々上がっているものの全体の2割
時的に安価であるにも関わらず、なぜ残りの大多数は給食を利用しないのかについて質疑しました。

喫食率向上の為に行っている取り組みは?

学校教育部長

喫食率向上の取組といたしましては、保護者の方の利便性の向上のため、平成25年9月からインターネット申込みにおいて、月1回の申込みの締切りから、月の後半部分を追加予約できるよう設定を追加し、平成30年4月からは、卒業までの継続一括予約申込みを可能といたしました。
献立につきましては、給食の量が少ないことに対応するため、平成30年8月から御飯の大盛り対応を開始いたしました。また、中学校に在籍する栄養教諭が、生徒が食べたいと思う献立を直接聞き取って、献立に反映しており、牛乳につきましても、原則として全生徒が飲むべきものではございますが、アレルギーがある場合には欠食を認めております。
今後も、成長期にある児童、生徒の心身の健全な発達のため、安心、安全で豊かな食事を提供することに加え、おいしく、楽しく食べることができる給食を提供することにより、喫食率の向上に努めてまいります。
※公式回答から引用

「そもそも牛乳が体にいいのか?」という物議も醸し出している昨今、飲むべきものかどうかはわかりませんが…
という突っ込みはさておき。

生徒や教員にメニューのリクエストを取るなど、意見を取り入れる事で喫食率が上昇する可能性もある。
また現行方式の場合、給食の予約システムの問題点も大きいのでは?
支払方法が24時間利用できるコンビニエンスストアを利用できたとしても、対人かATMでの振込だ。15日前の給食費納付をうっかり忘れていたら給食が食べれなかったという事態も実際にある。
そこで給食予約システムの改修を行い、継続か月々かを選べる形式で、クレジットカードによる引き落としやペイペイ送金などの対応を加えるだけでも効率的になり、保護者の負担率もぐっと減る事が予想される。
また、料金が課金になったとしてもご飯やおかずの調整ができるとしたら、かなり便利になるのでは?

学校教育部長

喫食率の向上のための取組は、これまでも種々実施してきたところでございます。引き続き、御提案いただきましたように、保護者の方の負担を減らす、あるいは利便性を向上させる、そういったシステムの改修などの手法も考えながら、喫食率の向上に努めてまいります。
※公式回答から引用

中学生においては、昼休み時間の中で部活動や委員会での集まり等がある事もあり、決して近くない配膳室まで取りに行って返しに行くという方法はナンセンスだ。
お弁当箱は当日中に返却すればいいというような柔軟な選択はできないのか?

学校教育部長

中学校給食の全員給食実施の際には、適温で給食提供を行うため、現在の個別の弁当箱方式から保温食缶方式で配送し、各校の配膳室から生徒が協力して運び、各教室にて配膳を行う予定でございます。このため、配膳室へ個別に食器等を返却するものではなく、生徒が協力して、食缶等を返却することになります。
 また、食事の後は、使用済みの食器だけではなく、食べ残し等も発生することから、衛生管理上からも教室等に置いておくのではなく、適切に食器の洗浄、食べ残し等の処理を行う必要があると考えております。そのため、給食の準備から後片づけまでを含めて食育として給食の時間中に実施する必要があると考えております。
 全員給食の実施に当たっては、そういったことを踏まえますと、給食時間の在り方についても改めて検討を行う予定です。
※公式回答から引用

全員喫食が実現するまでは、子供達にとっても給食時間が忙しいものになってしまうという点で心苦しいです。
全員喫食実施にあたっては、給食時間の在り方についてご検討頂けるとの事でご答弁いただきました。
給食センターを実施するまでの期間においても喫食率向上に努めて頂ける事を求め、質問を終わりました。

≪市政報告チラシvol.2≫

投稿者プロフィール

後藤 久美子
後藤 久美子吹田市議会議員
同志社女子大学学芸学部音楽学科卒業(中高一種教員免許取得・音楽 運転免許あり その他)
社団法人大阪フィルハーモニー協会楽団事務局元職員
結婚を期に関東へ移住しフリーな音楽ライフを満喫しつつ、独学でWebライターや美容と健康のプロ資格も取得。
地元コミュニティーを築く中で市政に興味を抱く。
2023年、統一地方選挙で初当選!再び独学で政治経済を学び『人生は挑戦の連続である』ことを体現する二児の母。