吹田市の小学校中学校の通学区域を考えてみた。

本記事では、吹田市内の通学区域について考えてみました。
小学校は同じだったのに、中学校区が違っていたせいで仲の良かった友達と離れ離れになってしまった。
家を構えたにも関わらず、思いがけず学校規模適正化で校区が変更になってしまった。
そんな経験をする事もあるかもしれません。


そもそも学区というのは何の為にあるのでしょうか?
学区の必要性の有無、そしてお住まいの学区と市内全域の学区を知って頂くきっかけになれば幸いです。
また、市外の方にとっても他自治体として参考となりますように。⸜(・ิᴗ・ิ๑)⸝

1. 学区のメリットとデメリット

子どもの就学する公立小学校・中学校を市町村教育委員会が、居住地によって指定する制度を『学区制』といいます。
就学指定される学校は、基本的に自宅から近い学校となります。
ですが行政区分との兼ね合いもあり、児童・生徒数の減少で学校が統廃合になるなど、必ずしも一番近い学校に行けるとも限りません。

学区制度のメリットとしては、主に地域との連携や、保護者が学校選びを迷わずに済むという点が挙げられますよね。
児童・生徒の家族も含めた地域住民の参加のもと、交差点での交通誘導やボランティアによる学校行事ができる事は大きなメリットと言えます。

逆に最大のデメリットとしては、一番近い学校に通えないケースですよね。

「A校なら10分で徒歩通学できるのに20分かけて通学しなければならない」など、昔からのあるあるですが。
基本的に学区は、学校周辺を均一の距離で通学できるように設置されていますが、土地の形状や交通事情、世帯数など様々な要因でいびつな状態になってしまうことも。

2. 吹田市立の小・中学校通学区域表

以下、吹田市立の小・中学校通学区域表です(『吹田市公式ウェブサイト』より引用)。

小学校名中学校名町丁名街区番号
千里第二小学校第一中学校千里山霧が丘、千里山星が丘、千里山虹が丘、千里山月が丘、千里山東1丁目~2丁目、千里山東3丁目9番~11番、千里山東4丁目、千里山高塚全域、千里山松が丘、山手町3丁目3番~11番
千里第三小学校第一中学校千里山西1丁目~5丁目、円山町、江坂町5丁目、千里山竹園1丁目(千里新田小学校区を除く)
岸部第一小学校第二中学校岸部南全域、芝田町、岸部新町、岸部中1丁目(千里第一小学校区を除く)、岸部中2丁目(千里第一小学校区を除く)、岸部中3丁目~5丁目
岸部第二小学校第二中学校岸部北全域、原町4丁目21番
吹田第一小学校第三中学校西御旅町、東御旅町、元町、内本町1丁目~2丁目、内本町3丁目(吹田第三小学校区を除く)、朝日町(吹田第三小学校区を除く)、高浜町(吹田第三小学校区を除く)、南高浜町1番17号~28号、南高浜町6番29号~34号、南高浜町9番~10番
吹田第六小学校第三中学校寿町全域、中の島町、清和園町、南清和園町、川岸町
吹田第三小学校第五中学校昭和町、高城町、末広町、日の出町、内本町3丁目3番1号~9号、内本町3丁目3番36号~37号、内本町3丁目10番1号~7号、内本町3丁目10番25号~27号、内本町3丁目11番~12番、朝日町13番、朝日町25番~27番、高浜町5番~7番、高浜町9番~17番、南高浜町(吹田第一小学校区を除く)
吹田東小学校第五中学校川園町、吹東町、幸町、南正雀全域、平松町、目俵町
吹田第二小学校第六中学校泉町全域、西の庄町、金田町、出口町1番~17番
吹田南小学校第六中学校南金田全域、穂波町、南吹田全域
千里第一小学校片山中学校片山町1丁目、片山町4丁目、藤が丘町、天道町、原町1丁目、原町3丁目、原町4丁目(岸部第二小学校区を除く)、岸部中1丁目1番~2番、岸部中1丁目4番、岸部中1丁目5番5号~11号、岸部中1丁目13番、岸部中2丁目1番1号~18号
片山小学校片山中学校片山町2丁目~3丁目、原町2丁目、山手町4丁目、上山手町、朝日が丘町
佐井寺小学校佐井寺中学校佐井寺(佐竹台小学校区を除く)、竹谷町、佐井寺南が丘
東佐井寺小学校佐井寺中学校五月が丘東、五月が丘西、五月が丘南、五月が丘北
千里新田小学校南千里中学校千里山西6丁目(桃山台小学校区を除く)、千里山竹園1丁目25番~28番、千里山竹園2丁目(桃山台小学校区を除く)、春日(桃山台小学校区を除く)
豊津第一小学校豊津中学校垂水町全域、江坂町1丁目、広芝町
山手小学校豊津中学校出口町(吹田第二小学校区を除く)山手町1丁目~2丁目、山手町3丁目(千里第二小学校区を除く)、千里山東3丁目(千里第二小学校区を除く)
豊津第二小学校豊津西中学校豊津町、江の木町、芳野町、江坂町2丁目(江坂大池小学校区を除く)
江坂大池小学校豊津西中学校江坂町2丁目10番~19番、江坂町3丁目~4丁目
山田第五小学校山田中学校➡(統合後10年以降も様子を見た後に)西山田中学校山田南、山田市場9番~11番 
※山田第五小学校は令和7年3月末で廃校となり、同校の校区は山田第三小学校区に再編
南山田小学校山田中学校樫切山、尺谷、長野東、長野西、千里丘西、山田市場(山田第五小学校区を除く)
山田第三小学校西山田中学校山田西1丁目
※令和7年4月から山田南、山田市場9番~11番は山田第三小学校区
西山田小学校西山田中学校山田西2丁目~3丁目
山田第一小学校山田東中学校山田東1丁目、山田東2丁目(北山田小学校区を除く)、山田東3丁目
北山田小学校山田東中学校山田東2丁目27番、山田東2丁目29番、山田東4丁目、山田北、山田丘、山田西4丁目(津雲台小学校区を除く)、千里万博公園(藤白台小学校区を除く)
山田第二小学校千里丘中学校千里丘上、千里丘下、千里丘中
東山田小学校千里丘中学校新芦屋上、新芦屋下、青葉丘北、青葉丘南、清水
千里丘北小学校千里丘中学校千里丘北
佐竹台小学校高野台中学校佐竹台全域、佐井寺4丁目
高野台小学校高野台中学校高野台全域、津雲台1丁目
藤白台小学校青山台中学校藤白台(青山台小学校区を除く)、上山田、千里万博公園13番
青山台小学校青山台中学校青山台全域、藤白台5丁目7番~15番
桃山台小学校竹見台中学校※3桃山台全域、千里山西6丁目58番~64番、千里山竹園2丁目8番4号、千里山竹園2丁目17番~25番、春日3丁目17番~20番、春日4丁目20番~99番
千里たけみ小学校竹見台中学校竹見台全域
津雲台小学校古江台中学校津雲台(高野台小学校区を除く)、山田西4丁目1番
古江台小学校古江台中学校古江台全域
2024年4月1日現在の状況

3. 通学区域外の通学が認められるケースは?

前提として、通学区域は以下に基づき教育委員会が定めています。

・就学校の指定が勝手に行われないようにすること
・保護者にいたずらに不公平感を与えないようにすること

道路等の地理的状況や地域社会が作られてきた長い歴史的経緯や住民感情のそれぞれの地域の実態を踏まえ、各市町村教育委員会の判断に基づいて設定されています。

実は通学区域に法令上の定めはありません

吹田のごくみ

ってことは・・・
ある程度は、個人の意志や事情が考慮される場合もあるよね?!

・転居しても従前の通学校に通いたい
・住居の新築・増改築により一時的に学区外に転居したい
・新築に住むから、事前に転入学を希望したい

上記のような場合に、越境入学・通学が認められることがあるようです。

「A校なら10分で徒歩通学できるのに20分かけて通学しなければならない」場合においても、ある事情で強いご希望がある等の場合、意見が尊重されるケースがあります。

例えば「小学校の学校規模適正化の影響で、中学校区域が左右されたら困る」
とご心配の方がおられるかと思います。
もちろん基本的には学区が重視されますよ。
ですが、学区の選択としてある程度の期間(仮に10年間など)を設けると教育委員会に言われていたとしてもその後も、ご家庭の事情やご希望によっては、ご自身の意志は尊重されるという事になりますよね。

4. 3つの選択肢(特認校制度・小規模特認校制度・学校選択制)

包括的に考えてみます。
通学の選択肢の考え方として、学区制を除けば主に3つの選択肢がある事を以下にまとめてみます。
ただし以下の場合、各市町村教育委員会が方向性の指針を定めなければ個々での判断ではできませんよ~!

■特認校制度とは、通学区域が前提であったとしても、施設に余裕のある学校を『特認校』として指定し、通学区域に関係なく希望があれば就学できる制度のことです。
特定の条件を満たす生徒が通学区域外からでも入学でき、特色ある教育プログラムを提供する学校が対象になります。

■小規模特認校制度とは、市町村が特定の小規模の学校を『特認校』として認定し、従来の通学区域を残したままで、市内のどこからでも保護者や児童生徒が希望する場合は特認校に就学を認める制度のことです。
過疎地域や人口減少地域の小規模の学校が対象で、学校の存続と地域の活性化を目的とします。

■学校選択制とは、保護者や生徒が希望する学校を自由に選択でき、通学区域に関係なく自分に合った学校を選ぶことができます。

学区分けで20分かけて通学しなければならなかったのに選択の自由により10分の徒歩通学が可能になった等のメリット、環境を変えたい方や希望する学校に通学できる点は、とても魅力的ですよね!
でも、目的別で選ぶ学校への通学は、遠方になる可能性も出てくるので子供の体力や学習時間に影響を与えたり、通学にかかる交通費が家計負担になる事も想定できたり、地域の子供達との関係が疎遠になったりするというデメリットも。

「自由が良いよね~」と思える半面、他自治体で学校選択制を廃止した先行事例をみると、地域との連携が取りづらくなったことが挙げられているんですね。
学校教育では、登下校時の見守り、総合学習の授業や防犯防災教育等の中で地域連携が必要とされる場面も多く存在し、学校選択制の場合、学区外から通学する児童生徒が多くなったことで、地域との密着性が薄れることが問題になったみたいです。

吹田のごくみ

核家族化も進み地域や世代間交流も希薄化されている地区も多いです。
平時では気付きづらいですが、何かあった時はやっぱり近隣の方達が頼りですし心強い存在です。
いろいろな事が省略され現代風にアレンジはされていくものの、
いつの時代も、自治会などのコミュニティはやっぱり続いていくのかも。

最近、室町時代に作られた自治組織の展示物を博物館でみかけまして。
なんとなく、
ちょんまげ着物バージョンでの地区の身近なお方達に当てはめて想像してしまいました。

とあるお方

(まさか俺の事言ってる?!)

吹田のごくみ

はい。
何となくかなり並び方と人形の雰囲気が似ていて。←どゆこと?!Σ( ̄▽ ̄lll)

【引用元:https://www.touken-world.jp/history/history-important-word/soson/
勝手に想像をば。

5. 自転車通学というのも良い案ですね

中学生なら自転車通学を取り入れる事も1つの手ですよね。

吹田のごくみ

運動にもなるし(*^-^*)

なにより通学路の安全確保は徒歩でも自転車でもどちらも大切です。
保護者が安心して子供を学校に送り出せるようにというのはもちろんのこと、通学方法は別に徒歩だけではないと思います。

坂道の多い地区なら電動自転車や変速自転車の必要性や、更にはヘルメット着用も必要となると経費(予算)は多少かかるかもしれませんし、狭い路側帯の道が通学路であればより安全性を強化する必要があるでしょう。
ですが、物理的な事を含め自転車保険の加入促進や自転車の安全交通ルール講座等の教室を企画することで実現は難しくないと考えます。

吹田のごくみ

学校規模適正化で中学校が遠くなるなどの場合もあるし、
このあたりの対策は教育委員会も考えてるんじゃないかな。

5. まとめ

いかがだったでしょうか?
私の思考回路にお付き合い頂き有難うございます。

学区は基本的に自宅から近い学校を指定されますが、そうでないケースもあります。
学区制に法令上の決まりはないので各市町村の教育委員会の方針は大きいですが、個人の強い希望は有効な場合があります。
選択制の場合は地域との連携が希薄になる等の課題があり、先行事例もある中で、実現するとしたら何かしらの方法や対策を考える必要があると思います。
自転車通学の可能性については問いていきます。

学校規模適正化から見えてきた学区の壁。
全ての人が納得のいく方法は皆無です。
ですが、まずは考えることが大切で、きちんと正面から向き合いたいと思います。
1つ1つの問題解決に向けて、アイディアなど皆様のお力もぜひお貸しください。
コメント欄、もしくは直接お問い合わせいただけると幸いです。

投稿者プロフィール

後藤 久美子
後藤 久美子吹田市議会議員
同志社女子大学学芸学部音楽学科卒業(中高一種教員免許取得・音楽 運転免許あり その他)
社団法人大阪フィルハーモニー協会楽団事務局元職員
結婚を期に関東へ移住しフリーな音楽ライフを満喫しつつ、独学でWebライターや美容と健康のプロ資格も取得。
地元コミュニティーを築く中で市政に興味を抱く。
2023年、統一地方選挙で初当選!再び独学で政治経済を学び『人生は挑戦の連続である』ことを体現する二児の母。

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